Introduction to Japanese Legal / Political System and Culture
日本の法・政治制度と法・政治文化入門
(留学生と日本人学生・一般正規生との合同授業)
本講義は、大阪大学の正規留学生及び本学と学術交流協定のある世界各国の大学からの交換留学生(特別聴講学生)と様々な学部の日本人学生その他の一般学生とがともに受講する英語で行われる国際交流科目との合同授業として開講されます。
法・政治制度とその運用は、国や時代によって異なっており、その国の法・政治文化や歴史的背景、そして市民の法・政治意識から強い影響を受けています。
この講義の目的は、現代の法や政治の基本的な諸問題を取り上げ、日本と諸外国との違いを比較検討することで日本の法・政治制度と法・政治文化の特質についての理解を深めることにあります。
日本の統治機構(立法・行政・司法制度)をアメリカの連邦制・大統領制などとの比較で学習します。そして憲法・刑法・民法(家族法)その他、日本法の基本構造を英語で学習するとともに、概ね以下のような現代的なテーマやトピックを取り上げ諸外国と比較しながら考察・議論する予定です。なお以下の取り扱う具体的テーマは、受講生の興味関心などを考慮して多少変更することも考えています。
- 外国人の人権や参政権問題。
- 現代日本の犯罪:振込み詐欺、ヤクザ。
- 大麻などのドラッグ規制の比較。
- 刑罰制度(死刑制度)や刑事司法問題(痴漢冤罪)。
- 日米の法曹(弁護士・検察官・裁判官)養成システム(法科大学院・新司法試験・司法修習制度など)の比較。
- 戦争放棄と自衛隊海外派遣などの諸問題。
- 援助交際と青少年保護条例や迷惑条例など性風俗や未成年者保護に関する法規制。
- 選択的夫婦別姓問題・男女共同参画・男女差別などジェンダーと法政策の比較検討。
授業の進め方は、まず日本の現在の法制度や裁判に関するテーマ(トピック)についての予備知識を英文資料や英字新聞記事などを読んだり英語音声ビデオを視聴することで得て、何が法的な争点となっているかを理解します。その上で、日本人学生と留学生をジェンダーバランスや出身国も考慮して5-8名の小グループにわけて、それぞれのグループ内で意見交換や議論をしてもらいます。その内容を授業の課題として1-2パラグラフ(5-15行)くらいをメールで提出してもらいます。次の授業では、クラス全体でディスカッションします。
グループは、テーマによって何回かメンバーを組み替え、できるだけいろいろな国からの留学生と意見交換ができるようにする予定でいます。