教育

日本国憲法

 本講義は、諸外国の憲法との対比でグローバルな視点から日本国憲法の基本原理とその現代的意義と役割について考えることによって、現代の国際化の中における基本的人権と民主主義、そして法の支配の意義に対する理解を深め、国際的教養を備えた地球市民としての問題意識の涵養を主な目的とします。

 上記の授業目的を達成するために、平和主義や外国人の人権、憲法改正や司法への市民参加など、憲法をめぐる様々な現代的問題を実際の事例に即しながら講義します。その際に概ね以下のような問題群やテーマを取り上げる予定です。

  1. 憲法総論:立憲主義の意義、国民主権と象徴天皇制をめぐる諸問題、平和主義(戦争放棄と戦力の不保持、自衛権と国際貢献をめぐる問題)など。
  2. 基本的人権保障:外国人の人権や人権保障の限界、日の丸・君が代や校則などの学校教育をめぐる諸問題、新しい人権・自己決定権・プライバシー権をめぐる諸問題、法の下の平等と積極的差別是正措置、信教の自由と政教分離、思想良心の自由、表現の自由の意義と規制、環境権・生存権・労働権をめぐる諸問題、参政権と投票価値の平等、死刑制度についてなど。
  3. 統治機構:選挙制度と政党制をめぐる諸問題、国会議員と議院、内閣の組織と権能、司法審査権の意義、憲法訴訟と司法審査権の射程、地方自治の本旨と条例をめぐる諸問題など。
  4. 憲法改正や裁判員制度などの司法への市民参加の意義についてなど。